ヨーガの実践

ヨーガ・アーサナ

ヨーガとは

アーサナ(体位、ポーズ)は、ヨーガの広大な体系の中の一部としてあります。ヨーガの目的は、心の波(煩悩、利己心)を静めることです。湖面のさざ波が静まれば、月の姿が正しく映し出されるように、心の波が静まれば、自ずと真実の姿が現れるといわれています。これが“真理を悟る”あるいは“神を悟る”ということです。

ヨーガはこの目的を達成するために、理にかなった科学的なアプローチをとります。その代表的なものがラージャ・ヨーガ(王道ヨーガ)です。ラージャヨーガでは、心のざわめきを静める方法として、まず呼吸を取り上げます。呼吸と心は密接に関係しています。心が乱れると呼吸は荒くなり、反対に心が穏やかであるときは呼吸も静かで全く意識されません。また、深呼吸をすることによって、乱れた心は落ち着きをとり戻します。この心身の相関作用に着目したラージャ・ヨーガでは、呼吸を静めることにより、心の波を静めようとします。そして、一見アクロバット体操のように見えるアーサナも、呼吸を変化させることを目的としているのです。

アーサナを実践していると、自律神経が活性化され、生命力(プラーナ*)が身体のすみずみまで与えられ、蓄えられてきます。同時に体の異常が修正され、堅固で強靭なものに変わってきます。これにより、呼吸が安定した力強い呼吸に変化し、その影響を受けて心の波は静められ、心は満ち足りた平安を感じるようになってくるのです。このことは、アーサナの実践によりすぐに気がつくでしょう。

このように、生理的・肉体的なアプローチにより、心という捉え難い対象を制御することを学んでいきます。そして、アーサナにより安定した力強い身体と呼吸と心が得られるようになってくると、次には呼吸法により直接プラーナの制御を学び、さらには瞑想を通じて直接心に対してアプローチしてゆきます。このヨーガの階悌を進んでいくに従い、心の覆(煩悩)は取り除かれ、静けさと平安に満ち充ちた調和のとれた境地を実現することができます。

*プラーナ(気)とは、この宇宙の森羅万象を動かす根本的な力のことであり、大宇宙にあっては宇宙エネルギー、人(小宇宙) にあっては生命エネルギーと理解されます。私たちの身体のさまざまな活動も、心の働きも、すべてプラーナの力によって起こります。このプラーナの私たちの小宇宙における最も大きな現れが「呼吸」です。従って、呼吸によるプラーナの制御を通じて心を不動の境地に導くことができるのです。

 

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