「悟りと自由」 自由と至福の悟りの境地

Q「シュリー・マハーヨーギー、修行の目的である悟りと自由についてお話し願います。覚者に会うことができない者たちは、ゴールがどんなに素晴らしいかを味わうことができないようです。そのため、彼らには修行をしていくためのインスピレーションがありません。自由とは何であるか、悟りとは何であるかをお話しください。それは人々への原動力へとつながります」

ヨーギーはしばらくの沈黙の後、答えられる、
「誰もが自由を求めています。誰もが幸福を求めています。人は生まれてから死ぬまで、それらを獲得するために一所懸命です。それは裕福さによって獲得できるものでしょうか。あるいは名声? あるいは美しさ? 知識? この世の宝物がすべて手に入ったとしても、それらは死によって、あるいはまた病によって、あるいは年老いていくことによって、一瞬のうちに苦悩に変わります。自由と幸福を求めて、そして、それを獲得したはずなのに、心はそれによって満たされることはありません。なぜならこの世界は永遠ではないから。また、この世界は純粋で完全なものではないから。そして、自分自身をその獲得した所有物と同一視してしまうことによって、本当の自分を見失ってしまうから。

では、なぜそこまでに人は自由と幸福を求めてしまうのか、何度も何度も生まれ変わりながら。これを巨大な目で見ることができれば、自然が何かを教えようとしているに違いありません。数千年前にインドのヨーギーたちは、これらの秘密を解き明かしました。そしてこれはインドのみならず、どの民族であれ、宗教であれ、すべてに通じる普遍的なものです。結論を言えば、自由と幸福は心の外にあるのではなくて内にあるからです。自由とは、心が欲望することが何でもできるという意味ではありません。自由とは何ものにも束縛されない状態のことをいいます。何ものにも束縛されないということは、何ものかに依存することのない自立した状態のことです。そして、そこに至福があります。幸福の究極です。至福とは、不幸や苦しみが訪れることのない境地のことです。そう、誰もが願っているものに違いありません。ただ、誤って見ていたものを改めて正しい見方をしていくことによって、それらは実現できます。

ヨーガの出した結論はこうです。人の苦しみは無知を原因としている。無知とは、永遠でないものに永遠を見ること。私たちの肉体にも、自然にも、この物質的世界には限界があります。決して完璧な満足は得られません。そうではなく、自らの内にある至福を求めることによって過ちを無くし、そして真実を実現することができます。さらに、本当の自己でないものに自己を見ること。
つまりエゴを自分だと思ってしまっている過ち。本当の自己はそのエゴの奥にあります。つまりエゴは真実の意識によって見られています。現に今、あなた方は心を知っているでしょう。知っている意識がその奥にあります。それは動揺することもなく、常に絶対の意識です。しかし、不幸にも自分自身を心と同一視してしまっているところに過ちが訪れます。そして、『自分は幸福だ』とか『不幸だ』とか、もがいてしまうのです。人の一生において、これらからの解脱を図ることはとても難しい。しかし、何度も何度も人生を繰り返している中で、より真実に向かっていくことになっています。ヨーガはその旅を急速に縮めるものです。かつてパラマハンサ・ヨーガーナンダはこう言いました、『自然の輪廻に任せる魂の旅は、徒歩で目的地に行くようなものである。しかし、ヨーガによっては、それを飛行機でひとっ飛びで行くことができる』と。(皆うなずきながら笑う。ヨーギーも笑われながら)まぁ、当時はプロペラ機が最も速かったのでしょう(皆笑)。現代は科学も進歩していて、もっと速く行くことも可能です。もちろんヨーガを真面目に、真剣にやりさえすれば。

さて、ここでもう一つの言葉を思い起こしてください。その自由と至福の悟りの境地は、ニルヴァーナという言葉によっても表されています。あの主ブッダが達した最高の境地です。
ニルヴァーナの文字通りの意味は、炎が吹き消された状態といわれます。炎とは、この自然の中にあって燃えながら動揺し、そして尽きていく私たちの命と心のことを指しています。心は炎に例えられます。無知によって生じた欲望の動揺が吹き消された状態、その完全に静寂な状態がニルヴァーナです。現代のヨーガにおいては、しばしば皆さんはニルヴィカルパ・サマーディという言葉でそれを理解しているかもしれません。相対性を超えた真実の境地です。そして、それが私たち一人一人の本質であり真実です。そこに自由と至福があります。

私たちはそれに目覚めなければいけません。自分が自分に目覚めるのです。これは知識によっては到達できません。知識はある程度のところまで連れていってはくれますが、もっと大事なものは情熱です。命と引き換えるくらいの真剣な情熱が必要です。そうすれば、あなたは不死を得るでしょう。(微笑まれて)そう、死ななければ不死は得られませんよ。だから死の恐怖は瞑想において取り去らなければいけません。すべては心の産物です。真実とは、それのみで存在しているものです。何ものにも、知識や言葉にも頼りません。それを実現してください」

二〇〇四年八月二十日(金曜日) ニューヨーク

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本文より抜粋 「吉祥」命の尊さ  「悟りと自由」自由と至福の悟りの境地


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