身体と心を耕す「鋤(すき)のポーズ——ハラ・アーサナ」


ハラ・アーサナは、仰向けに寝た状態から足を上げ、次に胸を起こし、足を後方(頭の上の方)に足を伸ばしていく形です。
「鋤(すき)」に似ていることから、日本語では「鋤の形」といいます。
「鋤」は地面を掘ったり、土を起こし、耕すための道具です。
このハラ・アーサナ(鋤の形)を行うとどういう効果があるのでしょうか?
写真を見てお分りになるかと思いますが、背中・腰・足の後面、がすべて伸ばされています。
これらは日々仕事や家事などを行う上で特にコリや疲れを感じやすい部分です。
そのコリや疲れがこの形を行うことによって癒されます。

 

ただハラ・アーサナの効果はそれだけではありません。
ハラ・アーサナの集中ポイントはのど、ヴィシュッダ・チャクラ。
胸が十分に起きてくると、のどの辺りが苦しく感じるくらいになります。他のアーサナと同じく吐く息に集中するのが大切ですが、ハラ・アーサナの場合は自然に吸う息を入れようとするとさらに苦しくなるような感覚になることがあります。のどの辺りへの強烈な刺激があるからです。
慣れてくると吐く息のみに集中できるようになり、息苦しさは感じなくなります。
さらに一呼吸一呼吸を丁寧に吐き切り、自分の限界を超えて形を深めていくと、のどを中心にプラーナ(気)がどんどん充実してきて、パンパンに満たされるような感覚になったり、熱を感じたりすることもあります。
もはや身体が伸ばされることによる痛みや息苦しさはなく、思考、心の動きが止まります。

 

「ハラ=鋤」は土を耕す。
「ハラ・アーサナ=鋤の形」は身体と心を耕す。
この形の本当の効果を言い表すとしたら、これがベストな表現だと思います。
堅い地面でも少しずつ土を起こし続けることで、ふわふわと柔らかい土壌に変わる。
日々の仕事などで疲労してこわばった身体や心も、ハラ・アーサナをしっかり行えばふわふわにほぐれて柔らかくなり、軽くなる。

 

身体が硬くてなかなか胸が起きない方もますし、体調によっては胸を起こしづらい時もありますが、これはとても大事なポイントなので可能な限りしっかり胸を起こすようにします。
クラスでも繰り返し教わりますが、肘の間隔を肩幅にするのがコツです。
この時に気を付けたいのは、背骨に手がかからないように両手を背中にあてること。背骨の中にはスシュムナー・ナーディーというプラーナが通る管があり、その流れを妨げないようにするためです。
(足を床につかないと気にする方もいますが、足がつかなくても胸がしっかり起きていれば効果があります。)

 

ハラ・アーサナはアーサナの醍醐味を強烈に感じられる形の1つ。地道に取り組んでいくうちにアーサナだけではなく、様々な局面で自分の限界を超えられるようにもなります。
厳しい寒さはまだ続きますが、もうすぐ立春です。身体の内側ではすでに春に向けた準備が始まりつつあります。
しっかりと身体と心を耕して、来たる春に伸びやかに成長できるように調えましょう!
ハルシャニー

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