初心者のための瞑想入門—初めに実感できる効果は心が軽くなる喜び!


瞑想に興味があるけど方法が分からない、心の落ち着きが欲しい、精神的に強くなりたい、集中力を高めたい、いろいろな思いのとらわれから自由になりたい……など、瞑想への関心はさまざまです。

これから瞑想を始めたい人、瞑想したらどうなるのか知りたい人——そんな瞑想初心者の方のために、①瞑想とは何か、瞑想をしたらどうなるのか、②瞑想で実感できる効果、そして、③まず取り組める簡単な方法と、④瞑想の基本的な姿勢と形について、解説したいと思います。

瞑想とは?

瞑想とは何でしょう? ただ目をつぶって座っているのと何が違うのでしょうか? 瞑想とは、心を一つの思いに集中させて、他の雑念が消えている状態をいいます。一点集中が自然に持続している状態、それが瞑想です。

実は、一般に「瞑想」と呼ばれているものには、集中・瞑想・三昧の3つの段階があります。最初は集中から入り、それが瞑想になり、最後は三昧という結果に至ります。

集中が最初の段階

まず最初は、集中から入ります。何に瞑想するか決めて、その対象に心を集中していきます。慣れないうちは、具体的なものを対象にするとやりやすいでしょう。

例えば、胸の中心や眉間といった体の部位に意識を集めたり、美しい花や聖なるイメージを目の前に置いて、それを見つめながら意識を集中します。(目を開けていてもかまいません)

集中の対象は、1回の瞑想で1つにするのが望ましいです。途中でいろいろ別のものに変えると、集中ではなく散漫になってしまいます。別の時に別のものに集中するのはかまいません。

瞑想で意識は1つのものに注がれる

集中は意識的な努力をもって行いますが、それが進むと、努力なく一点集中が続く瞑想に移行します。

それは油の入った1つの壺から、別の壺に途切れなく油を注ぐ様子にたとえられます。油は水よりも粘り気が強いので、ぽたぽたと途切れることがありません。そのように一筋に意識が注がれている状態を、本来の意味での瞑想と呼びます。

三昧で対象の本質と一つになる

瞑想の一点集中状態がさらに深まると、瞑想をしていることさえも忘れて、対象と一体になります。

花に瞑想すれば、花と一つになります。聖なるイメージに瞑想すれば、そのイメージが表すものと一つになります。そうして、花になって花を知り、人に瞑想するなら、その人自身と一つになって、その人を内側から理解します。

これは普通の理解の仕方とはまったく違うものです。知的な理解や情報を集めて、外側から「こうかもしれない」と想像するのとは、把握の感触が違います。いわば本質から把握する直観知です。

例えば、何か具体的な問題の解決法を知るのでも、情報の寄せ集めで判断するのではなく、直観的にその問題の本質を把握します。最近では、アップル社の創業者スティーブ・ジョブズが、瞑想をしていたことで注目を集めましたが、余計な雑念が消えて、1つのものに集中・瞑想することで、物事の本質が見えるというプロセスを、彼も身に付けていたのかもしれません。

三昧というのは、今でも「音楽三昧」とか「映画三昧」とかいうように、その対象に浸りきることです。それと一体になります。瞑想の最終的な結果はそのように三昧にたどり着くのですが、それ以前にも、さまざまな効果が実感できます。

瞑想で実感できる効果

瞑想の効果はいろいろとあります。心が落ち着く、穏やかになる、集中力が高まる、冷静に話したり行動できるようになる、自分や他人のことが客観的に見られる、信念や自信が生まれる、ブレない自分の軸ができる、相手の本質を見て愛をもって接することができる等々、瞑想の進歩の具合や人によって、いろいろな変化を感じると思います。

その1つ1つを解説したいのですが、とても1本の記事では収まりそうにありません。ここでは1つ、あなたが瞑想を始めるとすれば最初に感じるであろうと思うことを挙げておきます。

瞑想で生まれる心の軽やかさ

瞑想は、心を一つの思いに集中させて、他の雑念が消えている状態だと初めに言いました。最初に感じられる瞑想の効果は、悩みや不安などの雑念・心のとらわれが消えていくことです。それによって、心が本来もっている軽やかな喜びが現れてきます。hot-air balloons

例えてみるなら、熱気球のような感じです。熱気球は重りが外されると、それ自体の力で上昇していきます。そのように心も重荷が取り払われると、心が本来もっている純粋な力で飛翔していくのが分かるでしょう。

心が軽くなるしくみ

ヨーガの瞑想による心理学では、心を含むあらゆるものは3つの状態を揺れ動いているといいます。①どんよりとして動きがない暗質の状態と、②激しく動き回る不安定な激質の状態、それから③軽くて明るく快い純質の状態です。(詳しくは「ヨーガの心理学と方法」)

この3つの状態のうち、瞑想では①の暗質と②の激質をなくして、心を③の純質だけにします。心が揺れ動かないように静めることで、軽やかな快さが心を満たします。これは心の平安・静寂ともいえるのですが、単なる静寂な無の心境というだけでなく、静けさのなかから湧き上がってくる喜びがあります。

心の動揺を静める瞑想の方法

瞑想といえば、「無になること」だとイメージされていた方も多いでしょう。正確にいうと、1つのことに集中する訓練をすることで、それ以外の思いが出てこなくなり、それで雑念は無になります。

ちょうど、焚き火で1つの木をとりだして火かき棒にし、効率よく火を回すことで、他の木をすべて燃やすようなものです。1つの対象に集中することで、他の思いは消えていきます。そのとき、心はこの1つのことで染め上がりますから、瞑想の対象は最も望ましい純粋なものである必要があります。(この対象の選び方については、「理想に生きるための瞑想」を参考にしてみてください)

方法としては、まずその対象を胸のなかに置くイメージをして、その一点に集中します。そして、それをこれ以上ない理想的なものまで昇華させていきます。自分だったら永遠に変わらない真実の自分、人だったらこれ以上ない理想の存在、物事だったら混じり気のない純粋な本質に向かうようにします。

他の雑念を消すくらいの力がなければいけませんから、これは本当に自分にとって最も理想的なものである必要があります。もし、そうしたものが思いつかない、何だか結局は欲望的になってしまいそうという人は、「慈・悲・喜・捨」について瞑想してみてください。人間関係で動揺が多い場合は特に効果的だと思います。

瞑想での基本の姿勢と形

最後に、瞑想での姿勢や形について紹介・説明をしておきます。

瞑想の代表的な座り方

瞑想の姿勢といえば、脚を組んで座る形ですね。これにもいくつか種類がありますが、次の2つが代表的です。

シッダ・アーサナパドマ・アーサナ(蓮華坐)

左がシッダ・アーサナ(達人坐)、右がパドマ・アーサナ(蓮華坐)といいます。このように足を組んで座る形は、それだけで集中を促す働きがあります。

両足のかかとで、背骨の一番下にあたる下腹部を圧迫することで、通常は排泄作用として下向きに働いて消耗されている気を体内に留め、背骨の中を通って上昇させるように形が作られています。

どちらも「アーサナ」(「坐法」という意味)という名前がついていますが、この座り方を完成させるために、ヨーガのさまざまなポーズ(それもアーサナと呼びます)が開発されてきました。つまり完成とは、単なる形の完成だけではなくて、呼吸も含めた気のすべての動きが制御されて、この形で座っただけで強烈な集中が生じ、深い瞑想に入る状態をいいます。

座り方は無理をせずに

ただし、特に右のパドマ・アーサナは、初めて瞑想するような人にとっては、すぐにできる形ではないと思いますので、無理をしないでください。もし無理やり作ると、ひざや足首などを痛める恐れがあります。片足だけを反対の太ももの上に置く、アルダ・パドマ・アーサナ(半分の蓮華坐)でもいいです。左の写真のシッダ・アーサナは、最初でも比較的できる方がいます。

それでもきつい時は、あぐらや正座など、もっと楽な姿勢で座ってください。瞑想している時に脚を組み替えたり、別の座り方に変えてもかまいません。重要なポイントは、背骨をまっすぐに立てることです。ですので、体が歪んでしまうような座り方は避けたほうがいいです。また床に座るのが難しい人は、イスに座るのでも構いません。

いずれにしても、背骨をまっすぐに立てることが大事です。背中が曲がってくると、良い瞑想ができません。軽快な純質の思いが生まれませんし、瞑想中に眠くなってしまいます。逆にいえば、瞑想がうまくいかない人、毎回寝てしまう人、眠くなる人は、時々意識して姿勢をまっすぐにするといいです。(寝ころびながらする瞑想も、強い集中力があればできないことはないのですが、たいてい眠くなってしまうのでお勧めしません)

瞑想の手の形

手の形も、写真にある2つのものが代表的です。左がディヤーナ・ムドラー(瞑想の印いん)、右がチン・ムドラー(智慧の印)といいます(ちゃんと名前もあります!)。これも集中を促す作用があります。

作り方は、左は、親指以外の4本の指をそろえて重ね(左右どちらが上でもいいです)、親指どうしは先をくっつけます。右の形は、左右の手とも、親指と人さし指の先をくっつけて輪を作り、他の指は自然に伸ばし、ひざのあたりに手のひらが上向きになるように置きます。

手が気になって集中できない人は、無理にこの形を作る必要はありません。体の前で組んで置いておくか、ひざの上に置いてください(手のひらは上向きでも下向きでもいいです)

まとめ

  • 瞑想は一点集中が自然に持続している状態。
  • いわゆる「瞑想」は、集中→瞑想→三昧と深まる。
  • 瞑想の効果はいろいろあるが、最初に実感できるのは心の軽やかさ。
  • 瞑想の対象は自分にとって最も理想的なものにする。
  • 瞑想に最適な座り方はあるが、無理はしないこと。


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