『Paramahamsa』表紙絵シリーズ ⑤

インドの細密画は、15世紀から19世紀を最盛期としてインド各地で描かれ、文化やその土地によって画法やモチーフが異なり、様々な特徴があるといわれています。
小さなものだと数センチ、大きくても一辺が20cmほどといわれる小さな画面に描くのは、「見る人と絵が一対一で対話をする」という考え方があるからだといいます。またそれは魂を清める行為であるともいわれています。
確かに、細部にわたって繊細に描かれた小さな絵をじっくりと眺めていると、時には心が静まり、時には愛に満ちていくようにと、そこに秘められた物語の真意が、心の奥深くに豊かに広がっていくのを感じます。

さて、今回は『Paramahamsa』No.79の表紙を紹介させていただきます。

この絵は、シャクティ(キールタンを歌うメンバー)が毎週、ヨーガ・ヴィハーラに集まって、キールタンを歌っていた時に感じたことをかたちにしたものです。
当時の思いを、『Paramahamsa』の裏表紙に掲載していましたので、ここで紹介させていただきます。

「Panduranga Vitthale(パーンドゥランガ  ヴィッタレー)」、この曲を歌う時、ヨーギニーがただ一人荒野に座り、神を求め続けるという絵が浮かんできます。曲の高まりとともに、彼女の神への愛、神の御名の叫びは、やがて木々や山、大自然にも神を求める声を上げさせる、そんなイメージです。歌の中に入り込んでいくと、いつも深い瞑想へと導かれるような感じを受けますが、そうして歌っている中で、ある日気付きました。私たちは初めは神に会いたいと願い、探し求めるけれど、本当は大自然のみならず、自身の全細胞までが神そのものだということを。
神を感じ、神とともにある不動のヨーギニー、今回はそんな思いを絵にしてみました。

シャチー


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