新緑から深緑へと移り変わる季節になりました。
二十四節気では、5月5日から5月20日までが立夏。そのうち、5月10日から14日までは、七十二候で「蚯蚓出(みみずいずる)」の期間です。
ミミズは、土の中を活発に動き回り、土を柔らかく耕すことから、「自然の鍬(くわ)」と呼ばれていたそうです。
立夏の頃に咲くムサシノキスゲ。東京都府中市にのみ自生しているそうです。
私は耕すという言葉を聞くと、ハラ・アーサナが頭に浮かびます。
ハラとは鋤(すき)のこと。
鍬も鋤も田畑を耕す道具。その名前が付いたハラ・アーサナを行うことで、身体という田畑を耕すことができるとされています。
ハラ・アーサナの完成形では、日常生活において凝りや疲れが出やすい首・肩・背中・腰・足の裏側、が一気に伸ばされます。
まさに土が耕されて柔らかくなるように、凝り固まった体と心が柔らかくほぐされていくような感じになります。
また、上半身が逆さになるため内臓が反転し、その形で息を吐き切ることによって内臓も揉みほぐされるような状態になり、胃腸など消化器官の働きが良くなります。
私自身の体感としては、ハラ・アーサナは他のアーサナ以上に、その時の心身の状態が反映される気がします。
食べ過ぎた時は体が重くて背中を起こしづらく、息を吐き切りづらい。
気持ちが落ち込んでいる時に行うと、体全体が硬くて呼吸が浅く短くなる。
しかしそのような状況でも、焦らず丁寧に形を作り呼吸に集中していくことで、形を戻してシャヴァ・アーサナをする頃には、スッキリ軽くなっているのです。
クラスで初めてハラ・アーサナを行ってもらう前に見本をお見せすると、難しそう、私にはできない、というお声を耳にすることがあります。
確かに、腰や首などに症状がある方は慎重に形を作る必要があります。また、ある程度腹筋が使える状態でないと、足を直角に上げるだけでもかなりきついと思います。
やってみて難しい場合は、足を直角に上げて数呼吸保持してから足を下ろす動きを数回行うだけでも効果はあります。
その日の調子に合わせて自分ができるところまでやってみる、あるいはやってみようとすることで、少しずつでも体が柔らかくほぐされていきます。
MYMのクラスでは1人1人の身体の状態に合わせて、より行いやすい方法をお伝えしていますので、ぜひクラスでハラ・アーサナの効果を体感して頂けたらと思います。
ここ数年は高温多湿の気候が長く続くようになっており、体も内臓も疲れがち。
ハラ・アーサナで心身の疲れを取り、軽やかな身体でこれからの季節を過ごしたいです。
ハルシャニー