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『ヴィヴェーカーナンダの生涯』イラストシリーズ⑤

宗教会議で一躍有名になったヴィヴェーカーナンダは、アメリカの東部や中西部の大都市を駆け巡り、週に12回から14回の講演を行ないました。何百何千という人々が押し寄せましたが、そこには教養豊かな人たちや真理探究者に混じって、人を欺く人や興味本位の人やならず者もいて、どこででも厚遇されたわけではありませんでした。

ヴィヴェーカーナンダの目的は、永遠の真理を説いて誠実な人々の霊的生活が深まるように手助けすることでしたが、無知、迷信、宗教一般、特にヒンドゥー教についての誤解を取り除くという仕事は大変に困難なものでした。

あらゆる類の障害や反対や脅しに対してのヴィヴェーカーナンダの答えはただ一言でした。

「私は真理のために闘います。真理が偽りと手を結ぶことは絶対にありません。たとえ全世界を敵に回そうとも、真理は最後には勝利するに違いありません」  

(『ヴィヴェーカーナンダの生涯』より)

次第に裕福な特権階級の人々を離れて、霊性の生活に熱心な学生の訓練に専念し、静かに個人の人格形成をすることに熱意を抱くようになりました。ニューヨーク滞在中にブルックリンで定期クラスが開かれることになったのをきっかけにして、貧しくも熱心な数人の学生がニューヨーク市内の貧困地域に部屋をいくつか借りました。ヴィヴェーカーナンダはその一部屋に暮らし、貸家の二階にある普通の部屋で講義と授業を行ないました。講義中のヴィヴェーカーナンダは床に座りましたが、数多い受講者はタンスやソファの肘掛けや部屋の隅にある洗面台までも利用して座りました。扉は開け放たれたままで、あふれた人々は廊下や階段をも埋め尽くしました。真理に関する理解を深めるために、数人の選ばれた弟子にギャーナ・ヨーガを教え始め、自己制御、集中、瞑想の科学を教えるためにラージャ・ヨーガも指導し始めました。

ヴィヴェーカーナンダは西洋で働いていた間も、インドのことを忘れることはありませんでした。講演で稼いだ金銭を、宗教、教育その他慈善活動のために送り、彼の熱烈な手紙がインドの兄弟弟子たちを奮い立たせました。「自分の足で立つのだ!」と繰り返して、自立するように励ましました。

ヴィヴェーカーナンダは、どれだけ想像しても及ばないほど、全てを注ぎ込んで働かれたのだろうと思います。それはひとえに人々を真実へと導くためでした。

ヴィヴェーカーナンダが西洋に真理を伝えてくださったことで、現代の日本でもその教えを知ることができます。ヴィヴェーカーナンダが残した言葉は私にも届き、励まし、奮い立たせます。真理が真理であるからその真理のために闘うという、ただそれだけが在るということを突きつけられ、心に光が差して、それだけを求めて歩もうと背中を押されるのです。

サルヴァーニー


東京・中野クラス新規開講!!

中野で新クラスが始まりました!

会場の「Cafe&Studio Tiny Garden 」は、駅近でありながらとっても静かな空間。
Tiny Gardenという名前の通り、アカシアなどいろいろな種類の植物が植えられた小さなお庭があります。

初回10月14日のクラスには6名の方が参加、初めての方もお久しぶりの方も、リラックスした雰囲気でアーサナ・瞑想されていました。

 

参加された方の感想です↓
・何度も中野に来ているけれど、クラス会場はなんだか不思議な感じがして、帰りながら自分はどこに行っていたのだろう?と、いつもと違うのんびりした感覚になりました。
・ポーズの説明が分かりやすくてリラックスできました。心の迷いが少し減ったので、参加して良かったです。
・以前クラスに通っている頃より呼吸が浅くなっていることに気付きました。少しきつかったけれど、終わった後はスッキリ軽くなりました。

ヨーガのポーズを続けていくと、自己治癒力が高まり、体は生命力に満ちてきます。また、ストレスなどで乱れがちな呼吸が落ち着いてくることで、心も動揺することがなくなり、軽やかで平穏な状態が訪れます。

ヨーガや瞑想の効果は実践している時よりも、家庭や仕事など、日常のさまざまな場面で感じられるようになります。
柔軟性はまったく関係ありません。 年齢や性別問わず、未経験の方も安心して基礎から学んでいくことができますので、どうぞお気軽にご参加くださいね!

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⚫︎場所:Cafe&Studio Tiny Garden    中野区中野5-47-9 2階 
⚫︎日時:毎月第2,4火曜日 18:45〜20:15   ※開場は18:30
⚫︎料金:1回2,200円/4回回数券7,700円
※有効期限は中野クラスのみの場合4ヶ月、国分寺クラスと併用の場合は2ヶ月

⭐︎空腹状態が望ましいです。食事は2時間ほど前、水分は1時間ほど前からお控えください。 

お申し込み・お問い合わせはDMもしくはメールでお願いします。
mym-tokyo@mahayogi.org

担当:ハルシャニー

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ハルシャニー  

 

 

 


上映会と弟子たちのサットサンガ(真理の集い)

朝夕の涼しさも増し、秋の深まりを感じられる季節になりました。久しぶりに東京や松山、そして台湾からも弟子たちが集まり、9月27日(土)にリーラー・ヨーガ・スタジオで上映会と弟子のサットサンガ(真理の集い)が開催されました。

今回は2019年5月18日に開催された松山でのサットサンガの映像です。久しぶりの再会に喜び合い、スタジオはとてもにぎやかな雰囲気でしたが、上映会が始まると一転、師のお姿に皆の集中感は高まり、あっという間に映像の中に引き込まれていきました。そして静かな緊張感ある雰囲気へと変わっていきました。


サットサンガからは、質問者が師からお答えを頂くと、「ありがとうございます!」「あー! 分かりました!」と言って、表情や声がぱっと明るくなって安堵されている様子が伝わってきました。質問の内容は様々ですが、師は優しく丁寧に教えてくださいます。

そんな中、ある男性が「昨年、師から人から良く見られたいというこだわりの取り除き方を教わったものの、教えられたことができずに苦しい毎日が続いている」と、吐露されました。「どうすれば本当に自分自身が真剣に向き合っていくことができるのか知りたい。また、愚痴や言い訳をやめていく意義を教えてほしい」と続けて質問されました。
師は、その方へのお答えで少し口調を強められ、

「埒が明かないのであれば、最も核心的な問題ですけれども、自分自身に自分は誰かを問いなさい」

さらに力強く、

「これは、最も自分自身に対する問いかけです。だから誰もがこの問題に真剣に取り組んでほしい。本当の自分を知ること。あらゆる悩みや苦しみというのは、偽りの自分と心が作り出したものなのです」

と仰いました。師の真剣な眼差しと気迫の込もった言葉は、私たちの苦しみや悩みを一掃する力を与えてくださいます。上映会に参加した弟子たちにも深い感動を与えてくださり、スタジオは歓喜に包まれました。

そして、師の口から語られた真実の言葉ーー

「本当の自分を知ること」
「それだけがある。それを知り、それを実現し、それを生きる自分はそれなんだから」

この言葉が耳に入ってきた時、「聞きたかったことを聞くことができた!」と、とても嬉しい気持ちになりました。

上映会を通して、師から直接、教えを聞くことができることは、どんなに有難いことかを感じていました。真実の存在からの言葉は真実そのものです。師から語られる言葉はどれも力強く純粋で、私たちの心の内奥に染み渡っていきます。誰もの本質は尊くそれだけで満ち足りているものだと思い出されます。そして弟子として、それを実現していこうという決意が一層固くなっていくのです。

後半の弟子のサットサンガでは、活動報告と50周年に向けて予定している企画についてのお話がありました。いよいよ来月の師のご聖誕日からMYM50周年yearが始まります。50周年を祝うことができることに感謝をし、ますます精進していきたいです。

桜井晃己桜井みき


台湾グルバイの滞在報告🇹🇼

9月23日〜10月1日の8日間、3人の台湾グルバイ(仲間)が来日していました🪷

今回は私の自宅であるシャーンティ庵に滞在し、毎日朝は瞑想し、その後はヨーガクラスの参加や日本の弟子と交流するなどして、まさにヨーガ三昧の日々でした。 彼らが日本に来たのは、先輩弟子からマハーヨーギー・ミッションの活動やワークスを学ぶという目的があり、そこには大いなる真剣さがありました。

毎朝6:15〜7:15に瞑想。忙しい滞在だったにもかかわらず、不思議と眠くならなかったそうです😲

プレーマ・アーシュラマでアートワークを学びました🖼

月曜日のアーサナクラス。3人並んでのブリッジ。

土曜日のアーサナクラス。3人並んでの逆立ち。

土曜日の朝の瞑想クラス。松山のグルバイやちょうど台湾留学生シヨさんも参加されました。

早いもので、台湾のグルバイと交流が始まって11年が経ちましたが、いつも接していて思うのがハートの「純粋さ」です。
台湾の方たちは本当に素直で明るく、心温まる純朴さがあります。
私は今回、師シュリー・マハーヨーギーがおっしゃった「品(ひん)」についての言葉を思い出しました。

「品とは純粋さ。それはお金で買えないもの」

今回来られたエミリーさんマークさん夫妻、プリヤーさんはまさに「品」がありました。
エミリーさんは何気ない気遣いをよくしてくださり、慣れない台所で美味しい手料理を振る舞ってくださいました。いつも凛としていて、芯のある品やかな女性だと感じました。
夫のマークさんは、今回の滞在で「生きる目的」が明確になりました。瞑想クラスに参加して、「どう生きていきたいのか?」という問いに瞑想した時、「ヴィヴェーカーナンダのように大きなことはできないけれど、自分を世界に捧げたい」という思いが胸の奥から湧き、その時に彼は涙を流しながらその思いを語り、その場の参加者たちは彼の純粋さに胸を打たれました。
そして11年前の留学生時代から親交のあるプリヤーさんは、通訳中によく涙を流し、人の歓びを自分の歓びとして感じる素晴らしいハートの持ち主です。日本のお笑いやアニメ好きということもあり、普段の会話もとっても面白いです。

左からマークさん、エミリーさん、プリヤーさん、シャーンティマイーさん。マハーヨーギー・アーシュラマでは連日美味しい食事をいただいたそうです🍱

台湾のグルバイとは年々、友好関係が深まっていて、本当の兄弟姉妹のように感じています。
ヨーガの語源はユジュという「繋ぐ」ですが、ヨーガを通して、そしてヨーガを教えてくださるグルを通して、私たちは繋がっています。
主クリシュナはこのようにおっしゃっています。

「私は、すべての真珠を貫く糸である」

神を通して、たくさんの真珠と出会い、繋がっていくことは歓びです。
私ももっとヨーガを深め、純粋になっていきたいと感じた台湾グルバイとの交流でした😇🙏

バクティ・サンガム後に記念撮影。皆さん、良い表情です✨

※台湾のグルバイたちが日本に来始めた時の懐かしいブログを見つけました💡
マールラーさん(当時はエセーさん)が日本に来て感じられた内容が書かれています。
翻訳はプリヤーさん(当時はルーさん)です。
よろしければ、読んでみてください💁『MYMとの出会い』

ゴーパーラ


『Paramahamsa』表紙絵シリーズ⑯

今回ご紹介する表紙絵は『パラマハンサ』No.22のものです。

ヨーガの奥義は、古より師から弟子へと密かに伝えられてきたといいます。
師の御足下に静かに座り、真理の教えを受ける弟子。真正の師より与えられる恩寵は彼を満たし、その時間は至福そのもの。そんな姿を描いてみました。

グルとは真理そのものです。
すべての経験もまた教師でしょう。
しかしグルがいれば経験の苦労は何千倍も軽減され短縮されるでしょう。
グルは束縛ではなく自由をもたらすのです。

シュリー・マハーヨーギー・パラマハンサ

*パラマハンサの表紙は、毎回、絵とともに師の教えを飾らせていただいていました。

シャチー


それだけがある

静岡で、長年ヨーガを実践されている森ひとみさん。
京都のクラスやサットサンガだけでなく、東京での特別クラスにも時々参加してくれています。

ひとみさんの自宅の近くにある海

クリシュナ神が大好きで、クリシュナ神のキールタンを嬉しそうに楽しそうに満面の笑みで歌われているのを見ると、こちらまで幸せな気分になります。

 

ひとみさんがヨーガに興味を持ったのは、2001年。当時勤めていた会社で心身の不調に陥り、退職した頃でした。気持ちを安定させる方法を模索していた中で、瞑想の存在を知りました。
これなら自分の心をコントロールできるかもしれないと、近所で開催されていたヨーガ教室に参加。そこにいた先生とクラス参加者の方々が自由に生きているように見えて、ヨーガを学べば自分も自由になれるかも、と通い始めました。

そのヨーガ教室の先生はいつも「自分の心の赴くままに生きていれば、何も問題はない」と言っていましたが、ある時、本当にそれが自由に生きるということなのか疑問を持ちました。その答えを知りたくて、『あるヨギの自叙伝』や『秘められたインド』を読み、真実を実現した存在、グルのことを初めて知りました。
「私もグルに会いたい!」
どうすればグルに会えるのか?インドに行けばいいのか?
調べるうちにMYMのHPに辿り着き、この日本でグルに会うことができると知ってとても嬉しくなったそうです。

そして2007年9月、ひとみさんは初めて師にお会いしました。
サットサンガでは真剣な質疑応答が繰り広げられ、時に笑いが起こり、会場は終始熱気に包まれていました。皆、師を一心に見つめていて、まるで師という花に蜜蜂がむらがっているように見えました。それはこれまで感じたことのない甘美な光景でした。
そのサットサンガの中で、いつも不安感があることについて師に質問しました。

師は「ヨーガを行うと無恐怖(むくふ)になります」と答えられました。初めて聞く言葉でしたが、ひとみさんはこの上なく安心しました。
「ヨギさん(師)のことをグルだと思っていいですか?」
「はい、いいですよ」
そう答えられた師の目元に涙がにじんでいて、そのお姿を見て、ずっと探していたグルにやっと会えたという気持ちになり、胸がいっぱいになりました。

その後はサットサンガに参加する度に背負っていた荷物を下ろしていくことができましたが、未来に対する漠然とした不安と死に対する恐怖は、なかなか消えませんでした。

「それだけがある」
ひとみさんが一番大切にしている教えです。
「それ」とは、神のこと。 

「すべては神である」ということをはっきりと感じているのに、不安や恐怖がこびりついているような感覚があり、その不安や恐怖がどこから来たのか、瞑想で辿っていったことがありました。 
瞑想の中で、その大元には「純粋な意識」と「私という意識」が存在していると感じました。

それからしばらくして、この私という存在がどこから来て、どうやって成り立っているのか、それを辿っていくように瞑想した時に、大好きなクリシュナが自分の命そのものであることと、生も死もクリシュナと共にあるのだということを実感。とてつもなく安心し、それからは死への恐怖が少しずつ薄らいでいきました。

 

ひとみさんは師が描かれた絵の一つ、『アーディーナート』を観ていると、「それだけがある」という教えそのものだと感じるそうです。

『アーディーナート』とクリシュナ神

絵の中の黒い神は師であり、クリシュナでもある。白いのは私という意識。

神の光は圧倒的。自分が囚われていることは取るに足らないこと。

神はあまりにも眩しいから、それに照らされたら光で真っ白になる。

「それだけがある」、絵に描かれている状態になりたい!

そう語るひとみさんからは熱い想いが溢れていて、私の中にも流れ込んでくるようでした。

ひとみさんの純粋な想いをもってすれば、必ずその境地に至れるはず。お話を伺ってそう思いました。

 

ハルシャニー  

 


ヨーガ・サーラ・スタジオ20周年記念企画 アーサナクラス/瞑想特別クラス 基礎編

8月23日(土)愛媛県松山市では、ヨーガ・サーラ・スタジオ20周年記念企画の一環として、京都のマードゥリーさんをお招きして、特別クラスが開催されました。
午前中は、近くの公民館をお借りしてアーサナクラスがあり、最初に30分ほどの講座もありました。

講座の様子。細密画やチャクラ図を使って目に見えないプラーナ(気)やチャクラ、土、水、火、風、空という五大の物質との関わりについて分かりやすく教えてくださいました。

体操とは違って、大いなる哲学を土台に持つことを学んだ後に行なうアーサナ。会場全体がしんとした神聖な空気に包まれました。

午後からの瞑想特別クラスでは、識別の瞑想についてお話と実践がありました。真理を学び、考え、瞑想する。識別の大事なポイントを教わりました。
識別というのは、自分の心を真理と照らし合わせて、不要な思いなどをバサバサと心の中から切り捨てていくことです。真理とは、完全、純粋、永遠、不動のものです。真理ではないものは、必ず変化していきますので、心がそういうものに執らわれていると、それがどんなに魅力的なものであったとしても、必ず苦しみに終わるのです。苦しみを取り除いて、軽やかに生きていくためにも、真理ではないものを心から切り離して捨てていくのです。

「何のために生きるのか」ーーマードゥリさんご自身がじっくり向き合った体験談を交えて識別について話してくださいました。

30分間、静かに瞑想。

当日、マードゥリーさんが選んでくださった7つの真理の言葉の中から各自、好きな言葉を選んでしおりに書き写して、持ち帰りました。

真剣に選ぶ参加者の皆さん。15分以上考えこむ方もおられました。

しおり作成チームのスタッフが喜びをもって美しいしおりを用意してくださいました。好きなしおりを選んで真理を書き込みました。

朝から夕方まで、盛りだくさんの1日でしたが、参加者のみなさんはとても充実されたようで、喜びの声がたくさん届いています。

(参加者のみなさんのご感想)

・今日の講座を聞いて強く感じたことは、「何のために生きるのか」という問いをあやふやにしてしまっている自分です。マードゥリーさんもはっきりおっしゃったようにあやふやにせず、真理を軸に徹底して追求し、検証すること。アーサナを1つ1つ大切に行なうように、命の様々なシーンに対しても、情熱をもって集中していけるようになりたい。

・30分じっくり座って、自分の心の奥深くまで潜っていく感覚がありました。普段ふわっとした理解で満足しているところを感じ、無意識に執着している対象があることに気付かされました。「もっと知りたい」という知識欲も煩悩の一つだと再確認しました。心の習性はしぶといものだと、また学びました。また、こういう機会があれば参加したいです。

・マードゥリーさんの力強いメッセージが明確に入ってきたことで、聖典を読む時に自分なりに漫然と読んでいることに気が付きました。不要なものに時間を割いていることを再自覚しました。

松山に来てくださったマードゥリーさんは、蓮の花のように優しくきれいな人でした。同時に、何事にも動じない堂々とした佇まいで、未来を切り拓いていくような力強さを感じました。マードゥリーさんと少しばかりの時間を共有したことによって、その力強さが少し、私にも乗り移ったのかもしれません。美しい真理のしおりを抱きながら、元気な足取りで帰路に就く、最高の一日でした。

笹沼朋子


東京イベント報告 ヨーガに触れる2days

8月2、3日に、東京・中野で、特別クラス「ヨーガに触れる2days」を開催しました。 
京都在住で大阪・西宮北口クラスを長年担当されているシャチーさんを講師にお迎えして、2種類のクラスをしていただきました。 day1は、「呼吸を知る・体と向き合う・心を静める アーサナ・瞑想」のクラス。初めての人にも分かりやすいように、MYMのクラスで行なっているアーサナ(ポーズ)について大切なポイントを聞いた後にアーサナする流れで行なっていきました。 
      アーサナ後の静まった雰囲気の中、しっかり集中されているように感じました。

この日初めてクラスに参加された方に感想を伺うと、楽しかった、気持ち良かった、と笑顔で答えてくれました。  私も参加者の1人としてアーサナしましたが、長年実践している人にとっては、1つ1つの動きを今一度確認し、丁寧に形を作り、吐ききる呼吸を意識して行なうことで、より集中感を高めて瞑想しやすい心身に調えることができたと思います。 

day2は、「カルマ・ヨーガに倣う 働きの秘訣」を学ぶ講座。 
現在、東京で毎月開催している瞑想会ではヴィヴェーカーナンダの『カルマ・ヨーガ』をテキストにして進めていることもあり、カルマ・ヨーガを分かりやすく教えていただきたく、シャチーさんにリクエストして実現しました。 
 
カルマとは、原因とその結果。この世界に対して行なった行為は、必ず自分に帰ってくる。
例えば愚痴を言うとスッキリするように感じるかもしれないけれど、かえって心に愚痴の印象が刻まれて苦しくなる。言葉として外に出さないようにすることで、次第に思いはなくなり、心は真の穏やかさを感じるようになる。
目の前に困っている人がいたら助ける。これは他者を助けているようで実のところ私たち自身を助けていることになる。
日常生活のあらゆる場面で「私がしている」という思いを手放していくことで、目の前の人だけを見てその人が喜ぶことができるようになる。いつもの行為がヨーガとなり、喜びをもって他者に奉仕する、というカルマ・ヨーガの理想に近付いていく。

カルマ・ヨーガという言葉を初めて聞く方もおられましたが、シャチーさんご自身の体験談を元に親しみやすく話してくださったので、皆さん時折笑いながら熱心に聴き入っていました。 
シャチーさんが描かれた細密画。講座の中で描くきっかけになったエピソードも紹介してくれました。

 
初めて参加された方からの感想です。 
・今日のお話は目から鱗で、どれから実践してみようか、楽しみながらトライしてみようかと思っています。 
・講座の中で耳にした「軽やかに生きる」、良い言葉だと思いました。そうなれるように生きていきたいと思います。 
・これまでアーサナをしたり、クラスで聞いたことを実践をしてみて、特に介護をする上でヨーガの効果を感じてはいたけれど、今回のお話を聴いて、自分が感じていたことが一つに繋がったような感じがしました。これからは今日のお話を思い返し、進んでいきたいと思います。 

講座が終わった後、細密画をシャチーさんの解説付きで改めて鑑賞。

特別クラスから1週間ほど経った頃、改めてお2人の方にその後の様子を伺ってみました。 

day1に参加されたIさんは、その日から毎日アーサナを続けるようになったそうです。 これまで毎日やった方がいいと思いつつできずじまいだったけれど、仕事の疲れや悩みを解消して自分を変えるためにも、今度こそ続けていきたいと思いを強くされたようでした。

day2に参加されたMさんは、何かとぶつかりがちだった家族の話を、相槌を打ちながら聞くようにしているとのこと。それは、シャチーさんが語られた、師が目の前の人に常に穏やかに優しく接して、頷きながら真剣に話を聞いていた、というエピソードが印象に残ったからだそうです。

2日間の特別クラスがヨーガの本質に触れる良い機会になったようで、嬉しいです。 

大阪でシャチーさんのクラスを受講していた方も参加してくれました!

ハルシャニー  

 


上映会と弟子のサットサンガ

7月13日はリーラー・ヨーガ・スタジオでの初めての上映会と弟子のサットサンガ(真理の集い)が開催されました。外は厳しい暑さでしたが、スタジオの中に入るとひんやりと澄んだような空気に包まれ、火照った身体が癒されます。たくさんの弟子が新しいスタジオに集い、まずは2019年5月に行なわれた松山でのサットサンガの上映から始まりました。

映像が始まるとみんなの集中は画面へと注がれます。その集中感に包まれ、スタジオと画面の映像が一つになるような感覚になっていき、画面に映された松山のスタジオの中に自分もいるような不思議な感覚になりました。師が着座され、会場の人たち一人一人に笑顔を向け優しい眼差しを注がれているのを見るだけで胸がいっぱいになりました。

松山でのサットサンガでは実践に基づく問答が活発に行なわれていました。終わってから松山の兄弟弟子に話を聞くと、この時のサットサンガの数年前から兄弟子が京都から松山へ通い種を蒔かれていたこと、師が2016年から毎年松山を訪れサットサンガを開催されていたことを聞きました。それまでの流れがあり、師の教えに対する真摯な歩みが参加者の方々の質問に現れていたように思います。身振り手振りを加えながら質問にお答えする師のお姿がとても印象的でした。

識別を行なう際には、正しい物差しをもってこなければならない。自分の心の中だけでやってしまっては、その肝心の物差し自体が伸縮自在になって融通が利きすぎて、心の思いに引っ張られていってしまいますから、そこでは絶対性をもった尺度、物差しを必要とします。それが聖典を学ぶとか真理を学ぶとかいうことになるわけです」

「真理は学ばなければならないです。本当に一番大事なのは真実、真理を知ることなのですけれど、どういうわけか、これはどこにいっても教えてくれないのです、学校でも職場でも、あるいは社会においても。だからこそ探し求めて、この真理を見つけ出す。そうすることによって、心は楽に自立という状態をつくることができます。ヨーガはその真理を教えながら、さらには体や呼吸をそれにふさわしいようにつくり変えていくことができる」

シュリー・マハーヨーギー

私も今まで生きてきた中で、変わることのない確かなもの、真理、真実を教えてくれたのは師を除いて誰もいませんでした。たった一つの真実を教え、それに至るまでの道を示し、悩みや迷い、苦しみの全てを受け止め、解決するための答えを与え、導き続けてくださった師は、正に現代に顕れたブッダだったのだと改めて思いました。正しい物差しを与え、それに沿わせて思いと行為を正していくように教え励ましてくださる師のお姿は、映像を通して初めて師のお姿を見た方にも言葉を超えた存在としてしっかりと伝わっていたようです。

上映が終わったあとに紹介された、当時参加していた方の現在のお話には「ヨギさんからいただく教えは、心に刻まれ日常に浸透していくことを深く実感しました」「もう迷うことなくヨーガの本当の目的に向かって進んでいきます」といった力強い言葉がありました。

後半はパラマハンサ会員向けの弟子のサットサンガが行なわれ、活動報告や今後のミッションの展開についての話がありました。

いよいよ今年の師の御聖誕日からマハーヨーギー・ミッション50周年yearが始まります。新しいスタジオができ、大きく広がっていきそうな勢いのまま、50周年を素晴らしいものにできますよう私も精進していきたいと思います。

アーリヤー


『Paramahamsa』表紙絵シリーズ⑮

 

今回は、『Paramahamsa』No.21の表紙絵を紹介させていただきます。

今度はどんなヨギさんを描こうかと考えていた時、雨が降る美しい海が浮かびました。
ヨギさんがお好きだったカングラの細密画には、川や池に咲く蓮がよく描かれていますが、水の流れの描写が本当に美しいなあといつも思っていました。
また、ヨーギーの祖であるシヴァ神は、暴風雨の神として知られています。シヴァの恵みである雨が降る夜の海に浮かぶヨーギー、そんなイメージを持ちつつ描いたのがこの絵です。

この絵は、ヨギさんも気に入ってくださっていたのか、何かしらのデザインをする際にデザイン案として起用されることがあり、それが形として表に出たのが『ヨーガの福音』の表紙です。

『ヨーガの福音』と『プラナヴァ・サーラ』は、ヨギさんがニューヨークに行かれるようになった初期の頃の貴重な教えがまとめられたものですが、編集からデザイン、すべてをヨギさんが監修し、ご尽力くださって出来上がったものです。


*左から)1999年5月30日初版第1刷発行、2001年3月発行、2003年2月発行、2017年4月発行

最初は、家のプリンターを使って1枚ずつ印刷してまとめ、製本屋さんに仕上げていただいていました。初代の『ヨーガの福音』はサイズも大きかったのですが、増刷する際に、持ち運びしていつでも読めるようにと小さいサイズに変更しました。そして、完売したらまた制作するといった流れで出版していたため、表紙もその都度考えて作っていったのです。
No.21の表紙絵が飾られた『ヨーガの福音』は数量限定だったため、このデザインの本を持っている人は少ないと思います。ちょうどミラバイが持っていたので、お借りして撮影しました。

最後に、ヨギさんがシヴァ神についてお話しされた内容を、過去のブログでご紹介しています。
「シヴァと三日月」
とても興味深い内容なので、ぜひもう一度読んでみてください。

シャチー