ラーマクリシュナの直弟子―トゥリヤーナンダに導かれて

先週末の日本列島に寒気が訪れた2月9日(土)、師シュリー・マハーヨーギーはNYご布教のためご不在でしたが、たくさんの熱心な弟子たちがマハーヨーギー・アーシュラマに集まり、弟子たちによるサットサンガが行なわれました。

2月9日の弟子たちによるサットサンガ

この日は、19世紀の大聖者シュリー・ラーマクリシュナ・パラマハンサの直弟子たちに焦点を当て、4人のスピーカーがそれぞれの理想とする直弟子のエピソードや教えを紹介しながら、自分自身の実践と理想について熱く語り、皆で思いを高めていきました。

今回そのうちの一人である、野口美香さんのお話を、追記抜粋編集してご紹介したいと思います。本当に寒気を吹き飛ばすかのような迫力のある熱を感じるお話でした。


私はトゥリヤーナンダの強い信念と、神への信仰心、師への信仰心に憧れています。

トゥリヤーナンダは、すべての行為を母なる神への礼拝としなさい、母を思いなさい、ということを強調されています。生涯師の教えに従って、母なる神を思い生きていかれました。そしてご自身が実践してきたからこそ、人々にも常に母を思いなさい、母だけを頼りなさい、行為を母への礼拝としなさいというふうに伝えていかれました。

スワーミー・トゥリヤーナンダ

どのようにすれば自分の生活の中の行為を、トゥリヤーナンダのようにできるのでしょうか。花も虫も、動物も人もすべてを同じように本当の意味で大切にしていけるようになりたい!と私は思うのです。

トゥリヤーナンダの生涯が書かれている『神を求めて』の本の中で、とても印象に残っているシーンがあります。

トゥリヤーナンダが、ベルル僧院に住んでいた時、若い修行僧たちを訓練するために、常に一緒にご自分自らが、いろんな仕事をこなしていかれていました。
ある時、調理できるように処理されなければならないたくさんの野菜があったので、見習い僧たちと一緒にその仕事をされます。その仕事の途中で、朝食を知らせるベルが鳴りました。もう少しで仕事が終わるから、この仕事が終わってから朝食を摂ろうとトゥリヤーナンダは言われます。そして仕事が終わってから、食堂へ行くと食べ物は何も残っていませんでした。普通は、後から来る者たちの分はとっておかれることになっています。
それで、トゥリヤーナンダは係りの見習い僧に、「われわれの食事はどこにあるか?」と尋ねます。その見習い僧は、「皆さんにとっておいた分は、プレマーナンダが不意に来た信者に上げてしまわれました」と答えます。プレマーナンダも、ラーマクリシュナの直弟子である方です。
トゥリヤーナンダは、「なぜそれが私たちの分であることをプレマーナンダに話さなかったのか」と尋ねると、
見習い僧は「どうして、私が非常に偉いスワミにそんなことが申し上げられましょう」と言います。
トゥリヤーナンダは、「なぜできないのか。もし君が彼を本当に愛しているのなら、彼が知らないことを知らせてあげることをなぜ躊躇するのだ。愛している者に向かっては、何でも話すことができるはずだ。人を愛する時、どうしてそこに恐れなどがあり得よう」と言いました。

このエピソードを初めて読んだ時、本当にそうだと思いました。トゥリヤーナンダの一点の曇りもない、真っ正直な言葉が自分の中に広がっていきました。見習い僧のとった行動が自分の傾向と似ているように思え、「なぜできないのか?」というそのトゥリヤーナンダの言葉に、私自身の問題に対しても、「なぜできないのか?」と考えさせられ、この言葉が胸に突き刺さりました。

このエピソードがずっと私の心に刻まれていて、こういう場面に自分が出くわすと、この教えが自然に浮かび、力を与えてくれるようになりました。

もし自分の役割に徹するならば、その食事は後から来る人たちのために取ってあることを伝える必要があったし、そこに何の計らいも必要ありません。相手がどういう立場の人であっても、遠慮したり、気付いているけれどしない、というのは、どこかに自分を守ろうとしている弱さがあるからです。誠実とは真逆のことになります。そんな行為は、神に捧げられないと思います。

トゥリヤーナンダは、「礼拝の精神で行なわれる仕事は、現代に相応しいたった一つの霊性の修行である。すべてを母なる神への礼拝として、母に捧げなさい、そしてただ誠実であれ」というふうに言われています。
誠実であるためには、些細なことですが、自分の弱さや余計な計らいがたとえあったとしても、それに気付いたなら、すぐさま無視して、自分の中の真理への信念を貫くという強い意志が必要になるのだと思います。
毎日の中の小さな仕事を礼拝として行なうためには、その些細な矛盾をなくしていかないといけないと思っています。自分に与えられた役割に全注意力を向けて、少しの計らいも入らないほど集中する訓練を繰り返ししていこうと思います。
トゥリヤーナンダがラーマクリシュナの教えに従って信仰を貫いて生きていかれたように、私も師であるヨギさんからいただいた教えを貫いて生きていきたいです!!!

今の私に最も響くトゥリヤーナンダの言葉を紹介します。トゥリヤーナンダはこの言葉をたびたび繰り返されたそうです。

あなた自身であれ、強くあれ。悟りは強く、純粋で、真っ正直な者だけに与えられる。自分はアートマン(真の自己)である、ということを忘れるな。このことはあなたに最大の力と勇気を与える。勇敢であれ。マーヤー(無知)の束縛を断ち切れ。ライオンのようであれ。何事にあってもびくびくするな!スワミジ―(スワーミー・ヴィヴェーカーナンダ)はあなたに、あらゆる魂は内に神性をひそませている、と教えたであろう。自己の神性を悟れ。そのときにあなたは、すべての魂は神である、ということを悟るであろう

野口美香

サットサンガにて話をする野口さん。


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